Director’s Statement
3.11震災の被災地、気仙沼市唐桑町で映画を作ることは、ボクにとって大きな意味をもっています。過去に、その場所で3本の映画を作り、古い家を買い、一時はそこで暮らす決意をしたからです。しかしながら、被災地での映画作りは、実際に取り組んでみると、大きなストレスをボクにもたらしました。映画を作る行為自体、してはならないことのように思えたからです。そんなボクたち映画クルーに、作る意義を与えてくれたのは、被災地で暮らす人たちでした。彼らは、「こんな時だから、映画を作る意義があるんだ」とボク等を励ましてくれました。ボクはこの映画で、様々な試みをしています。映画の冒頭での35分に及ぶ長回しがそのひとつです。そして、シークエンスを出来るだけワンカットで描くよう努めました。震災から5か月後の被災地での空気感が少しでも反映されればと思ったのです。その試みに、三人の女優さんたちが躊躇うことなく挑んでくれたことに、感謝しています。
小林政広 2011.8
脚本・監督:小林政広
撮影:西久保弘一
照明:斉藤 順
録音:永口 靖
編集:金子尚樹
助監督:下田達史
制作:詫摩大輔
小野寺高子: 渡辺真起子
小野寺伸子:中村優子
小野寺里美:藤真美穂
撮影:2011年8月 気仙沼市唐桑町
公開:2012年7月